低血糖とは?(糖尿病の薬による低血糖を除く)
はじめに
「低血糖」って、聞いたことありますか?
血糖値は高いことがダメって知っているけど、低いことが問題なんて聞いたことがないかもしれません。
糖尿病で薬を飲んでいる人は、薬で強制的に血糖値が下げているので、低血糖のことについて、知っている人は多いのですが、今からお知らせする低血糖は薬によって起こる低血糖のことではありませんん・
実は、誰でも“血糖値が下がりすぎる”ことがあるんです。
たとえば、こんな症状に心当たりはありませんか?
- 食後すぐに眠くなる
- お腹がすくと手が震えたり、イライラしたりする
- 何をしても疲れが取れない
- 気持ちが落ち込みやすい
- 朝起きた時に気分が悪い
これらは、血糖値が下がりすぎている=“低血糖”になっているサインです。
「えっ、血糖値ってそんなに関係あるの?」
「私は糖尿病じゃないから関係ないと思ってた…」
そう思っているあなたにこそ、ぜひ知ってほしい内容です。
この記事では
- 血糖値ってそもそも何なのか?
- なぜ、低血糖が起こるのか?
- どんな不調と関係しているのか?
- どうすれば改善できるのか?
を、やさしく・わかりやすく解説していきます。
「なんとなく不調だけど、原因がわからない…」
という方には、驚きの内容かもしれません。
血糖値って何?
「血糖値」とは、血液中にどれくらいのブドウ糖(グルコース)が含まれているかを示す数値です。
ブドウ糖は、私たちの体のエネルギー源となる大切な物質で、
人はこの糖分を活用して生きています。
特に、脳や筋肉はとてもエネルギーを使う臓器なので、
糖分を多く消費する臓器でもあります。
体の中の細胞は、ブドウ糖を使ってエネルギー(ATP)をつくり出し、
そのエネルギーで心臓を動かしたり、内臓を働かせたり、脳を活動させたりしています。
ブドウ糖が足りないと、エネルギーがうまく作れず、体が動かなくなったり、集中力が落ちたり、不調が現れるのです。
血糖値は「高すぎても」「低すぎても」ダメ!
血糖値が下がりすぎると、全身の細胞でエネルギーを作れなくなってしまうので、以下のような症状が起こることがあります:
- 疲れやすい
- 何もしていないのにだるい
- ぼーっとして集中できない
- イライラや不安感
- 食後すぐの強烈な眠気
高いことは「糖尿病だ!」とすぐに指摘されますが、実は低いこともとっても怖いことなのに、指摘をされることはほとんどないのが現状です。
血糖値を調整しているのは“ホルモン”
血糖値は、膵臓から分泌されるインスリンやグルカゴン、副腎から出るアドレナリンやコルチゾールなどのホルモンの働きでコントロールされています。
特に重要なのがインスリンです。
インスリンは“血糖値を下げる”だけのホルモンではありません
インスリンは「血糖値を下げるホルモン」として知られていますが、本来の役割は、ブドウ糖を血液から細胞内へ取り込み、細胞がエネルギーを作れるようにすることです。
血液中にブドウ糖があっても、細胞がそれを取り込めなければ、体の中ではエネルギーが作れません。
そのため、インスリンがしっかり分泌されて、ブドウ糖が細胞内に取り込まれることで、はじめて体は元気に動くことができるのです。
インスリンの働きによって血液中の糖が細胞に取り込まれるため、結果的に血糖値は下がる──それが「血糖値を下げるホルモン」と言われる理由です。
でも本当の目的は、「エネルギーを作るためにブドウ糖を届けること」。
これを知っているかどうかで、血糖に対する考え方がまったく変わります。
低血糖ってどうして起こるの?
低血糖はだれにでも起こりえる状態ですが、それが様々な問題を引き起こすことが周知されていません。
しかも、現代のように食べ物があふれ、甘いものや炭水化物が簡単に手に入る時代だからこそ、低血糖には注意が必要です。
では、低血糖が起きるのでしょうか?
ここでは、そのメカニズムをわかりやすく説明します。
原因①:食べ過ぎ、特に「糖質のとりすぎ」
パン、麺類、砂糖たっぷりのお菓子などを一度にたくさん食べると、血糖値が急激に上昇します。
すると、上がった血糖値に見合ったインスリンを分泌します。
パン、麺類、砂糖たっぷりのお菓子、甘いジュースのようなものを、
大量に一気に食べれば、急激に血糖値があがり、そして大量にインシュリンが分泌されます。
インスリンはブドウ糖を細胞内に取り込むホルモンなので、
血糖値が一気に下がります。
すると今度は、血液中の糖分が少なくなりすぎます。それが低血糖です。
エネルギーは常に必要なので、血の中にはある程度の糖分がいつも必要なのです。
エネルギーが作れなくなると、臓器がシャットダウン状態になります。
特に、脳はエネルギーが作れなくなるととても影響をうけやすいので、
糖質をたくさんとった後に「眠くなる」「だるくなる」「頭がぼーっとする」などの症状が出るのです。
原因②:空腹時間が長すぎる(欠食や不規則な食事)
朝食を抜いたり、昼食をすごく遅く食べたり、
夕飯が極端に遅かったりすると、空腹時間が長くなります。
そうすると、血糖値を保つために体は必死にホルモンを分泌して対応しようとしますが、
それでも血糖値が維持できずに下がりすぎる=低血糖が起きてしまうのです。
特に、「ファスティング」や「16時間ダイエット」などで極端に食事を制限している方は注意が必要です。
原因③:カフェイン・アルコール・ストレスによる血糖調節ホルモンの乱れ
コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインは、一時的に交感神経を刺激し、
副腎からアドレナリンやコルチゾールなどの血糖上昇ホルモンの分泌を促します。
これにより、血糖値が急上昇したあとに反動的にインスリンが分泌され、
結果として血糖が下がりすぎる(反応性低血糖)ことがあります。
また、アルコールは肝臓での糖新生(グルコース生成)を抑制する作用があり、
空腹時や栄養不足の状態で飲むと低血糖を起こしやすくなります。
さらに、慢性的なストレスはコルチゾールの分泌パターンを乱し、

副腎の機能にも影響を与えることがあります。その結果、
低血糖時に必要なホルモンが適切に分泌されなくなり、
血糖値が安定しにくくなることがあるのです。
「食べすぎても」「食べなさすぎても」低血糖は起きる
食べすぎでも、食べなさすぎでも低血糖は起こる──
これが、現代人の低血糖の難しさです。
体の仕組みを知らないと、「なぜこんなに疲れるのか」「なぜいつも眠いのか」がわからず、
「自分が悪いのかな…」「年のせいかな」と思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、体の仕組みを知ると、ちゃんと理由があることがわかります。
甘いジュースが大好きな子供たちも、「低血糖」で苦しんでいる子が沢山います。
特に、子どもは「血糖値」が下がりすぎて具合が悪いなんて、思いもよらないことですし、どんな風に体調が悪いかも、説明できないので、本当に注意が必要です
低血糖になるとどうなるの?
低血糖は、単に「お腹がすく」「少しフラつく」といった軽い現象にとどまりません。
血糖値が下がりすぎることによって、全身の機能に大きな影響が出てしまうこともあるのです。
ここでは、低血糖が体にどんな影響を与えるのかを、具体的にご紹介します。
エネルギーが作れなくなる
人間の細胞は、ブドウ糖を使ってエネルギーを作ることで働いています。
そして、そのエネルギーを作るプロセスに欠かせないのが「インスリンによって糖を細胞に取り込む仕組み」です。
血糖値が低すぎると、そもそも細胞に糖が足りず、エネルギーが作れなくなってしまいます。
これが、以下のような症状の原因になります:
- 朝起きたときに気分が悪い
- 何をしても疲れが取れない
- 急にだるくなる
- 集中力が持たない
- イライラしやすくなる
脳への影響が大きい
脳は、体の中でもっともエネルギーを使う臓器です。
血糖値が低くなると、脳へのエネルギー供給が不足し、以下のような状態になります:
- 思考が鈍くなる
- ぼーっとする
- 突然眠くなる(食後など)
- 気分が落ち込みやすい
- 感情のコントロールがきかない
とくに「甘いものを食べたあとに強い眠気が来る」「大事な場面で集中できない」といった症状は、低血糖や血糖値スパイクが原因になっていることがあります。
筋肉(心臓や腸の筋肉も)にも影響が及ぶ

筋肉もエネルギーがなければ正常に動くことができません。
体を動かすための筋肉だけでなく、
内臓の動きも筋肉によって行われています。
たとえば、
- 心臓の筋肉:エネルギー不足になると、血液をしっかり全身に送れなくなります。血圧が下がったり、末端冷え性になる原因にも。
- 腸の筋肉:腸のぜん動運動がうまくいかなくなり、便秘・下痢・お腹のハリなどの不調が起きます。
腸の不調が続くと、栄養がうまく吸収できず、さらにエネルギー不足が悪化するという悪循環に陥りやすくります。
身体を支える、腕・足・腰などの筋肉がエネルギー不足になると、上手に筋肉が伸び縮みできなくなり、それが痛みになります。低血糖が痛みの原因になっていることもたびたび見受けられます。
血糖値をコントロールするために、重要なホルモンを無駄に使ってしまう
低血糖になると、体は「血糖値を上げなきゃ!」と判断して、アドレナリンやコルチゾールといったホルモンを分泌します。
このホルモン分泌が繰り返されると、副腎が酷使される状態が続き、体がずっと“緊急モード”のまま切り替えられなくなります。
その結果、眠りが浅くなったり、朝からぐったりしたり、ちょっとしたことでイライラするようになることがあります。
さらに、状態が継続すると、副腎からのホルモン分泌が減ってしまい、過剰な疲れでまったく動けなくなったり、自分で炎症を抑える力が減ってしまい、炎症が継続しやすい状態にまってしまうこともあります。
周囲にわかりづらい症状が多い
低血糖によって起こる症状は、病院で検査をしても「異常なし」と言われることが多いのが現実です。
- 血液検査では正常
- 病院では「ストレスですね」と言われる
- 「気のせい」「考えすぎ」と言われて終わる
こうした経験をされている方も多いかもしれません。
でも、原因が「低血糖」にあるなら、食事や生活習慣の見直しで大きく改善できる可能性があります。
こんな症状、ありませんか?
低血糖という言葉は知らなくても、日常のちょっとした体調不良の裏に“血糖の乱れ”が関わっていることは少なくありません。
以下のような症状が思い当たる方は、血糖値の乱高下や低血糖状態が隠れているかもしれません。
☐ 朝起きたとき、気分が悪い
☐ 食後にどうしようもない眠気に襲われる
☐ 空腹になるとイライラする/落ち着かない
☐ 疲れやすい/寝ても疲れが取れない
☐ 集中力が続かない
☐ 何かあるとすぐに不安になる
☐ 甘いものが無性に食べたくなる
☐ 気分の波が激しい
☐ 夜中に目が覚めて、そのまま眠れない
☐ 頭がボーッとする時間がある
☐ 腹痛や下痢・便秘を繰り返している
☐ 筋肉が痛む/肩こりや腰痛がつらい
これらの症状に心当たりがある方は、ぜひ一度、「血糖値の乱れ」という視点でご自身の体調を見つめなおしてみてください。
すずらん薬局でのアプローチ
血糖値スパイクや低血糖といった現象は、検査では見逃されやすく、日々の疲れや気分の不調、不眠、集中力の低下といった不調の影にひっそりと潜んでいます。
実際に、「血糖値の変動」が健康に及ぼす影響については、医学博士・永田勝太郎先生の研究でも詳しく取り上げられています。
先生の著書『「血糖値スパイク」が万病をつくる!』では、血糖値の乱高下が様々な不調とどう関わっているかが解説されており、多くの方にとって新たな気づきとなる内容です。
さらに永田先生は、日常生活の中でこうした状態を穏やかにケアしていくためのサポート商品の開発にも携わっておられました。
私たちすずらん薬局では、先生の考えに基づいたケア方法のご提案や、そうした商品を体の状態や生活習慣に応じてご紹介できる体制を整えています。
「病気とは言えないけれど、なんだか調子が悪い」
「もしかして自分も…?」
そう感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたの体と丁寧に向き合いながら、一緒に改善の道を探していきましょう。
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低血糖症かもでお悩みの方は、是非ご相談ください。 お勧めの商品は特に煎じる必要もなく、病院の薬とも併用できます。


