低血糖症・血糖値スパイク
はじめに
低血糖症・血糖値スパイクというと、糖尿病じゃないから関係ないと思われるかもしれません。
確かに、血糖値を下げる薬やインシュリンを打っている人は薬の副作用で低血糖になります。
しかし、ここで取り上げる低血糖症は特別な病気や原因がないにもかかわらず、血液内の糖分の量が少なくなってしまう状態、すなわち低血糖を起こしてしまう状態のことを示しています。
次に、血糖値スパイクとは、急激に血糖値が上がり、その後ストンと下がってしまう状態を示しています。
血糖値が急激に上がったり、下がったり、低い状態が続くことによって、体は様々な反応を起こします。
例えば、低血圧を起こしたり、心の病と間違われたり、筋肉に痛みが出たり、腸の動きが悪くなる、などの症状が起きてしまいます。
これらの症状と血糖値は、一見何の関係もないように思えます。
しかし、体の仕組みから関連性を考えると、低血糖や血糖値スパイクが症状の原因になっていることを納得していただけると思います。
ここでは、低血糖症・血糖値スパイクとは何か?
低血糖症・血糖値スパイクが起こることで、どんな症状が起こるのか?間違われる病気、対処方法などについてお伝えします。
目次
血糖値とは?
「血糖」とは、血液中に含まれるブドウ糖のことです。体を構成する細胞のエネルギー源です。
人間は細胞内の、ミトコンドリアというところでエネルギーをつくります。
エネルギーを作るための材料が、ブドウ糖です。
少し、難しい話しになりますが、人間の細胞内では
解糖系→クエン酸回路→電子伝達系という経路をたどってエネルギーをつくっています。
何段階もの、化学反応を経てミトコンドリア内でエネルギーをつくります。
この化学反応が進むためには、マグネシウム・ナイアシン・ビタミンB群・鉄・コエンザイムQ10などの栄養素が必須になります。
この何段階もの化学反応がどこかで止まってしまうと、エネルギーが産生できず、体は思うように動かなくなってしまうのです。
糖分は、細胞内でのエネルギー産生に最も使われやすく、早くエネルギーになってくれます。
人間の体を車に例えたとすると、糖分はガソリンのようなものです。
ガス欠では車が動かないのと同じで、糖分(ブドウ糖)がないと体の細胞はエネルギーをつくれず、臓器はまともに動きません。
血液の中の糖分は大変重要な成分ですが、高くなりすぎても、低くなりすぎてもだめです。
高すぎる状態が続くのが糖尿病です。
低すぎる状態が長い、又は血糖の変動が大きすぎる状態は体に大きな負担がかかります。
低血糖症・血糖値スパイクとは?
さて、糖分がどうして体の中で必要かをみてきました。
「それなら、じゃんじゃん甘いものを食べればいいよね!」なんて思いませんか?
実は、じゃんじゃん甘いものを食べることで、かえって血糖値が低くなりすぎたり、血糖値の上下が大きくなりすぎたりします。
昔は砂糖は希少品で簡単に食べることはできませんでした。しかし、今はどうでしょうか?
コンビニやスーパーで、安くいくらでも砂糖を摂取できる時代になっています。
もともと、体は命を守るために、飢餓に対応できる仕組みになっています。
天候の不順が続いたりして、食物が手に入らないという時代は人間の歴史からみると、そんなに過去のことではありません。
ですから、食べ物が入ってこず、糖分が十分ないときに、体は自分の肝臓で糖分を作る仕組みをもっています。
そして、様々なホルモンが働いて血糖値を上げようとします。
一方、たった1種類のホルモン、「インシュリン」だけが糖分を細胞の中に取り込む作用があり、結果的に血液中の血糖値を下げることになります。
インシュリンがきちんと作用しないと、細胞内に糖分を取り込むことができないので、エネルギーを産生することができません。
インシュリンはエネルギー産生にかかわる重要なホルモンなのです。
先ほども書いたように、ほんの少し前まで、糖分が体に入ってくる量は、そう多くはありませんでした。
しかし、今は、どんどん過剰なほどに糖分が体の中に入ってきます。
その糖分の量に反応して、インシュリンが分泌されます。
飢餓に備えるような仕組みになっている体は糖分が入ってくれば、「よし、早く糖分を取り込もう!」と、どんどんインシュリンを分泌します。
インシュリンの作用で細胞内に糖分が移動して血液中の血糖値は急落します。
細胞内の糖分はすべてをエネルギーに変えることはできませんから、余ったものはグリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられたり、中性脂肪として脂肪細胞に蓄えられたりするのです。
一旦、形を変えて蓄えられた糖分は、すぐにエネルギーとして使うことができません。
血糖値が急落してしまうと、途端に細胞はエネルギーを作れなくなってしまうのです。
その状態が長く続くことを、低血糖といいます。
そして、血糖値のアップダウンが大きくなってしまうことを、血糖値スパイクといい
ます。
甘いお菓子やパン・麺。ごはんの早食いなどをすると下記の赤線のように、急激に血糖値が上昇します。
血糖値が急激に上がった山の高さの分だけ、インシュリンが分泌されます。
その結果、赤い線は正常の水色のラインよりさらに下がってしまます
この赤い線のような血糖値の動きをすることを、血糖値スパイクといいます。
このようにして、下がってしまった血糖値は、人によってその後の動きが変わります。
そのまま低い状態で推移する人や、小刻みに上がったり下がったりを繰り返す人もいます。
その血糖値の変動には、必ず種々のホルモンがかかわっています。
血糖値が低い状態であることも症状が出る原因になりますが、血糖値を適正な状態に保とうと働くホルモンの影響でも、様々な症状が出現します。
低血糖や血糖値スパイクがあると何が起こるのか?
さて、以下の項目で、あなたはいくつ当てはまるものがありますか?
□疲れやすい □筋肉が痛む □背中が痛む・筋肉痛がある
□食後に耐えられない眠気におそわれる
□集中力がない □起床時につかれていている □めまいやふらつきがある
□お腹がすくと手・指がふるえる □眠れない □めまい発作を起こし倒れたことある
□甘いものがむしょうに食べたくなる □悪い夢をみる □イライラ感がある
□頭痛がある □手足がつめたい □足がむずむずする
上記のような症状があれば、低血糖症・血糖値スパイクが起こっている可能性が高いです。
・血糖値が低いことで、臓器や筋肉でエネルギーが作れない
・血糖値を上げようとして、種々のホルモンが分泌される
この二つの理由により、様々な症状がでます。
この症状は個人差が激しいために、低血糖状態や血糖値スパイクという共通した状態があるにもかかわらず、発見されにくいです。
そして、各臓器にトラブルがあるのではないかと検査はするけれど、特に臓器自体には異常がみつかりません。
結果、「ストレスだ」「気持ちの問題だ」という判断になり、心療内科や精神科受診を勧められる方がとても多いのが現状です。
筋肉と脳が低血糖症・血糖値スパイクで影響を受ける臓器
人間は細胞でエネルギーが作れないと生きていけません。
糖分の補充がなく、細胞でエネルギーを作れないと体は全く動きません。
その影響を大きく受けるのが筋肉と脳です
筋肉と脳をそれぞれ詳しくみていきましょう。
1・筋肉に対する影響
筋肉は、姿勢を保つために必要です。そして、立つ・歩くなどの日常生活のあらゆる動作をするために無くてはならないものです。
さらに、重要な心臓や内臓の働きも筋肉が関連しています。
体を維持するために、大切な役割を果たしているのが筋肉です。
・心臓の筋肉
・腸の筋肉
・腕・足・背中・腹など体を支えるための筋肉
が、元気に動いていないと、様々な支障が発生します。
- 心臓の筋肉
心臓は私たちが意識する、しないに関わらず常に動いてくれています。
一番働き者の筋肉です。
ずっと動いている筋肉ですから、エネルギーも大量に使います。
糖分が少なく、心筋がエネルー不足になると、どうしても動きを抑えざるおえなくなります。
心筋は、ギュッと収縮して血液を全身に送りだし、パッと拡張して心臓に血液を戻します。
エネルギーが不足すると、この「ギュッ・パッ」の力が弱まってしまいます。
そうすると、心臓から送り出す血液の量が減ったり、勢いがなくなったりします。
この状態になると血液が体のすみずみまで届かなくなります。
血圧がすごく低くなってしまう方もおられます。
各臓器は、血液が十分にやってきませんから、細胞でエネルギーを作る材料である酸素も糖分もとっても少ない状態になります。
皮膚・粘膜・ホルモン・酵素など様々なものを作るための材料である栄養素も運ばれてきません。
この状態では臓器はまとに仕事ができません。
臓器自体に何か損傷があるわけではないので、病院で検査をしても異常がないと言われます。
また、心臓より上にある、肩・首・頭は、重力に逆らって血液を上昇させる必要があるので、心臓の筋肉の力が弱ってしまうと、大きく影響を受けてしまいます。
心臓の筋肉が、エネルギー不足でしっかりと動くことができない状態は、全身に影響を及ぼします。
- 腸の筋肉
腸の筋肉は、口から食べ物が入って、胃を通過して腸に運ばれてきます。
必要な栄養素や水分を腸で吸収します。
腸の筋肉がしっかりと蠕動運動ができないと、腸に食べ物のカス(大便の素)が残り続けると便秘に、そのままスーッと通り過ぎてしまうと下痢になります。
下痢と便秘を繰り返す人もいます。
この様状態で病院に行くと、「過敏性腸症候群」と診断名がつくことがあります。
腸を調べても、特に異常はみつかりません。
ストレスが原因だと言われて、心療内科や精神科の受診をすすめられることがありますが、低血糖や血糖値スパイクが原因で腸の動きが悪くなっている場合はどんな薬を飲んでもあまり症状は改善しません。
お腹の症状のために、学校や職場に行けない人もいます。
下痢が続くと、腸で栄養が吸収できないので、栄養が不足しがちになり、ますます症状が強くなってしまいます。
- 腕・足・背中・腹など体を支えるための筋肉
体を支える筋肉が痛くなると、「線維筋痛症」と診断される場合があります。
(線維筋痛症については、詳しくはこちらをご覧ください)
線維筋痛症も、低血糖や血糖値スパイクが大きく関連しています。体を支える筋肉で十分エネルギーを作れないために、痛みが発生します。
線維筋痛症に対しては、痛み止めなどが処方されますが、根本的な原因を解決しているわけではないので、なかなか痛みがおさまりません。
2.脳に対する影響
脳は重さで換算すると、体の中で最もエネルギーを使う臓器です。
脳は体全体が必要とするエネルギーや酸素の約20%を使います。
もし、脳への血流が5分間以上止まってしまったら、脳に大きな障害が残ったり、命に係わる場合もあります。
眠っている間、手や足の筋肉のエネルギー消費量は減少します。しかし、脳は眠っている時と起きて安静にしている時とを比べても、使うエネルギーはたいして変わりません。脳は常に安定したエネルギーが必要なのです。
低血糖や血糖値スパイクが発生していると、「脳への安定したエネルギーの供給」ができません。
体の司令塔である脳がエネルギー不足で、正常な働きができなくなれば、その影響は全身に及びます。
例えば、食後、自分では全くコントロールできない眠気に襲われる人がいます。大事な商談なのに、お客様の前で眠ってしまう人を見たことがあります。
これは、血糖値が食事のあとに急に上昇し、その後急速に血糖値が下がるので、脳に安定したエネルギーを供給できないために起こります。
また、低血糖や血糖値スパイクを起こしている人は、食べるものが炭水化物に偏っています。
脳の神経は、神経伝達物質というタンパク質を分泌して情報を伝達します。
脳内伝達物質の材料は、タンパク質・ミネラル・ビタミンです。
これらが欠乏していると、脳内の神経伝達物質が分泌されず脳が正常に働きません。
そこに、エネルギー不足が加わります。
その結果、気分が落ちこむ、やる気が出ない、感情がコントロールできないなどのうつ症状が発生します。
また、不眠も低血糖と血糖値スパイクが大きく関連しています。
低血糖症・血糖値スパイクは、脳に大きな影響を与えてしまう現象なのです。
低血糖・血糖値スパイクの原因
①膵臓に負担をかける食事
体は、いつも血糖値を適正な値に保つメカニズムを持っています。
血糖値が高くなると、膵臓からインシュリンをいうホルモンがでます。
インシュリンは、細胞に糖分を取り込む作用がありますので、血液中の糖分が細胞に取り込まれて、血の中の糖分の量は下がっていきます。
血糖値が下がりすぎると、副腎や甲状腺からホルモンをだして血糖値をあげます
膵臓からも、グルカゴンいう血糖値を上げるホルモンを分泌させます。
このように、微妙なバランスをとりながら、身体は血糖値を適正な値になるようコントロールしているのです。
しかし、大量の麺、パン、砂糖、清涼飲料水(炭酸飲料・エナジードリンク・スポーツドリンク・缶コーヒーなど)を過剰に摂取していると、血糖値を正常もど
すために膵臓に負担がかかり、膵臓がつかれてしまいます。
疲れた膵臓が機能不全を起こすことで、低血糖や血糖値スパイクが起こりやすくなります。
②アルコール・タバコ・コーヒー・エナジードリンク(カフェイン含有清涼飲料水)の過剰摂取
アルコール飲料に含まれる糖質の摂取により血糖値が上昇しやすくなり、さらに、高炭水化物、高エネルギーなおつまみや飲酒によって血糖値が上昇する場合が多いです。
アルコールを飲むと、アルコール自体の作用で、肝臓で糖をつくりだすのを抑えてしまい逆に低血糖になることもあります。
たばこ、コーヒーなどのカフェイン類は、副腎を刺激してアドレナリンなどを分泌させ血糖値を上昇させてしまいます。
コーヒーを飲まないと動けない、頭が働かないという人は、低血糖が起きている可能性が高いですから、チェックが必要です。
血糖値に影響を与える嗜好品を過度に取り続けることが副腎を疲れさせたり、膵臓を疲れさせたりするで、低血糖症・血糖値スパイクを起こす原因になります。
③ドカ食い【過食】(特に、白砂糖・小麦・脂肪の摂りすぎ)
「ドカ食い」は、血糖値の上昇を起こしやすいです。白砂糖・小麦などを大量に食べると急激に血糖値があがり膵臓に負担をかけてしまいます。
特に、うどんやラーメンなどの麺類、パンは、とても細かい粒子になっている小麦粉で作られているので、消化・吸収スピードがとても速く、一気の血糖値が上がる食品です。パン・麺の摂りすぎは、低血糖・血糖値スパイクがある方は要注意です。
脂肪のとりすぎも、脂肪を消化する消化液(リパーゼ)が膵臓から分泌されるので、膵臓を刺激してしまい、膵臓を疲れさせる原因になります。
揚げ物などの脂っこい食事ばかりにならないようにしましょう。
④過度なストレス
ストレスは、血糖値を調節する副腎を疲れさせてしまいます。
ストレスがかかると副腎からは、コルチゾールというホルモンが分泌されストレスに対抗しようとします。
コルチゾールは体全身の色々な臓器に作用しています。血糖をあげたり、体の炎症やアレルギー反応を抑える働きがあります(その他にも作用があります)
過剰なストレスがかかり続けると、副腎がすっかり疲れてしまって、コルチゾールというホルモンが出なくなってしまいます。
その結果、血糖値のコントロールも上手くいかなくなり低血糖がおこりやすくなります。
副腎がつかれてしまうと、低血糖だけでなく、さまざまな症状がでます。それを副腎疲労症候群といいます。
⑤ビタミンやミネラルの不足
ビタミンやミネラルは、食べた物を消化吸収し、次に体内で再合成してホルモンを作ったり、血管壁、皮膚、骨などをつくるためには必須の栄養素です。
加工食品ばかり食べているとビタミンやミネラルが不足し、食べた物がきちんと栄養として利用することができないのです。炭水化物もブドウ糖に分解して吸収することができないので、低血糖を起こしやすくなります。
⑥血の不足
成長期の子供、女子中高大学生、妊娠や出産を経験した20代~40代の生理のある女性は、血が不足している人がとても多いです。
血の不足とは、単にヘモグロビン値が正常だったら大丈夫ということではなく、貯蔵されている鉄が不足していたり、血の働きが悪いことも「血の不足」といいます。
赤血球の重要な仕事は、肺で酸素を乗せて全身に運び、エネルギーを作ったあとにできた二酸化炭素を回収することです。
人間は細胞で、酸素と糖分を使ってエネルギーを作ります。
血が不足していると、十分な酸素が各細胞に運ばれないので、酸素が不足します。
エネルギーを作るための材料が一つ不足ぎみになるので、体はなんとかエネルギーを作らないといけないので、糖分を多く補給しようとします。
ですから、甘いものがむしょうに食べたくなる、チョコレートがやめられない、清涼飲料水をガブ飲みしてしまう、などなど、急激に血糖値を上げることができるものを食べてしまうようになります。その結果、血糖値スパイクや低血糖を起こしてしまうのです。
血の不足と低血糖症・血糖値スパイクが不調の原因なのに、それを病院では指摘されずに、「原因不明」と言われたり、うつ、起立性調節障害、線維筋痛症などと診断されて薬だけがどんどん増えてしまうという方は少なくありません。
低血糖症・血糖値スパイクを改善する方法
低血糖症・血糖値スパイクが起こっていることで、痛み、疲労、うつ症状、不眠など生活していく上で、多くの困難が発生します。
根本的に、低血糖症・血糖値スパイクを改善するためには、生活習慣の改善が必要です。
生活習慣を改善することで、少しずつ健康な状態に戻っていきます。
最も大切なことは、食事の内容と食事の摂り方です。
・バランスの良い食事を心がける
タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維の六大栄養素が含まれる食事を食べるようにしましょう。
凝ったお料理をする必要はありません。が、色々な食材を食べるようにすることで、様々な栄養素を摂取することができます。
特に、タンパク質は不足しがちです。
体重50kgの人は、体重1Kgあたり、1gのタンパク質が必要と言われています。
お肉はタンパク質が多い食材ですが、それでも、豚肉80gに14.8gしかタンパク質は含まれていません
豚肉でタンパク質をとるなら、1日240gの豚肉(中パック)を一人で毎日食べて、やっと必要量です。
家族4人なら、約1kgが毎日の量です。
どうですか、食べることができていますでしょうか?
毎日、きっちりこの量を食べるのは、流石に大変かもしれません。
でも、それぐらいは必要なのだと、頭に入れておくことが大切です。
・避けた方が良い食べ物
低血糖症・血糖値スパイクを起こしている人が大好きな食べ物が、「パン」と「麺」です。
「昼は簡単だから毎日「麺」です。」とか「パンがとにかく大好きです!」という方がものすごく多いです。
小麦は、精製され細かい粒子になっているので、消化吸収がとても速く、食べたあとに一気に血糖値が上がりやすい食材です。特に、甘い菓子パンは要注意です。
麺やパンは、血糖値の変動が大きく様々な症状がある間は控えた方が良いでしょう。
ケーキ・クッキー・チョコレート・グミなどの甘いお菓子も控えましょう。
血糖値が一気に上がる食べ物です。
炭酸飲料・スポーツドリンク・甘いジュースは、最も血糖値が急上昇しやすいです。
ペットボトル症候群は高血糖になってしまう状態ですが、高血糖になる前に、必ず低血糖や血糖値スパイクが起こっている時期があります。
このような食品でわざわざお金を使って、体調を崩してしまうのは本当にもったいないと思います。
・食べる順番を変えましょう
食べる順番を変えるだけでも、血糖値の急上昇と急降下を抑えることができます。
まず、野菜やお肉などのタンパク質から食べはじめましょう。要するにおかずから食べるということです。
そして、少しお腹が満たされてきたころに、ごはんを食べはじめます。
空腹の状態で、いきなり「ごはん」を食べると一気に血糖値が上がってしまいます。
・ゆっくりよく噛んでたべましょう
時間をかけて、ゆっくりとよく噛んで食べることでも血糖値の急上昇を抑えることができます。膵臓からのインシュリンの分泌のパターンにも影響があるという研究もあります。
また、しっかり噛むことで、胃の負担を減らすこともできます。
・食事を分けてとりましょう。間食をとりましょう。
学校や仕事があると難しいのですが、低血糖症・血糖値スパイクがある人は1日6回に別けて食事をとりましょう。
1回の食事量を多くするのではなく、腹6分目で何度も食べる方が血糖値の急上昇を抑えられます。
また、お腹がすきすぎる時間が長いことも危険です。
低血糖状態になる時間が長ければ長いほど、心臓・脳・筋肉にエネルギーを安定的に供給できないことで、支障が出ます。
2~3時間ごとに、食べるということが、低血糖症・血糖値スパイクの治療には必要です。
学校や職場では、間の食事は難しいですから、上手く「間食」を活用してください。
ゆでたまご・小魚アーモンド・さきいか・かまぼこ・きなこなど
最近は、タンパク質を多く含んだおやつも数々販売されていますので、手軽に食べることができる物を探して、「間食」として活用してください。
・少し食べてから眠りましょう
夕飯を食べてから、次の日の朝まで空腹時間がとても長いです。
低血糖症・血糖値スパイクがある方は、夜間に低血糖になりすぎることで、眠れないという方がとても多いです。
ですから、夜寝る前に少し食べてから眠ることが大切です。
夜寝る前も、たんぱく質と糖質があると良いです。
卵スープ、卵とじの味噌汁、雑炊など消化がよく、タンパク質も入っているものが良いでしょう。
血糖値スパイク・低血糖かな?と思ったらご相談ください
まだまだ、認知されていない血糖値スパイク・低血糖ですが、血糖値が身体に及ぼす影響は想像以上に大きいです。
病院では、全く指摘をされないことなので、「ほんとなの?」と疑わしい気持ちになるかもしれません。
しかし、多くの体の問題を、「気持ちのせい」にしてしまうのは、違っていると思います。
症状が出ているなら、必ず原因があるのです。
その一つの視点が、「血糖値」です。
臓器そのものに問題はないけれど、血糖値スパイクや低血糖がトラブルの原因であれば、食事や生活習慣の改善で、元気を取り戻せる可能性は十分にあります。
私の身体はこんなものだ・・・・
もう、治らないだ・・・・
具合が悪くてもしょうがない・・・・
と、あきらめを感じておられるなら、一度、ご自分の血糖値の変動がどうなっているのかを確認されると良いと思います。
低血糖症・血糖値スパイクにたった一人で立ち向かうのはとても大変なことです。
なぜ、低血糖症・血糖値スパイクを起こしてしまったのかも、個々で全く違います。
また、同じ食べ物を食べても、血糖値の上がり具合下がり具合は人によって全く違います。
日々、体調はコロコロと変化してしまいます。
そのたびに、一人ではとても不安になってしまいます。
すずらん薬局では、血糖値をご自分で確認できる方法のご案内や、どんな食事をしたらよいか、どん生活をしたらよいかを個別に提案しています。
じっくりとお話を伺い、実際にできることは何なのかを一緒に考えていきます。
また、症状の軽減や改善のために漢方も使います。
すずらん薬局でお勧めしている漢方はとても飲みやすく、簡単にお飲みになれます。
現在、お使いの薬とも併用できます。
「今よりも少しでも良くなりたい」「もしかして治らないかもしれない」とお考えの方、是非一度ご相談ください。