線維筋痛症
はじめに
線維筋痛症はすずらん薬局の中でも、ご相談が多い病気の一つです。 薬を飲んでも痛みが治まらず、 はっきりした原因もわからないということが 将来への不安をとても強くし、 心身ともに大きなダメージをうける病気です。
すずらん薬局では、保険医療では指摘されない 「低血糖症・血糖値スパイク」という状態が線維筋痛症の原因になっているという説をもとに、漢方を活用して改善を目指しています。
ここでは、繊維筋痛症の保健医療での治療、すずらん薬局が考える線維筋痛症の原因、どのようにアプローチするのかを説明します
線維筋痛症とはどんな病気なのか?
線維筋痛症は原因がまだ解明されていない病気といわれています。
3ヶ月以上、身体のあちこちの広い範囲に痛みがでたり、身体の強いこわばりとともに、激しい疲労感、不眠、頭痛やうつ気分など色々な症状がでます。
様々な検査をしても、骨・筋肉・関節などに異常が発見できないことがほとんどです。
命に係わることはないといわれますが、痛みのために、日常生活が困難になる場合が多く、辛い思いをされる患者様がとても多いです。
線維筋痛症の患者数は、2004年厚生労働省研究班が行った住民調査で、人口(12歳以上)の約1.7%(約200万人)でした。
また、2011年インターネット調査(20歳以上)では約2.1%(約212万人)と推計されています。
2003年に行われた厚生労働省研究班の全国調査では、日本では線維筋痛症は男女比が1:48と女性に多いという数字がでています。
40歳後半に発症される方が多いといわれています。
診断
現在は、米国リウマチ学会診断予備基準(2010年基準)を利用して診断が行わることが多いです。
広範囲疼痛指数(WPI)と症候重症度(SS)を活用します。広範囲疼痛指数(WPI)とは、体の19カ所のうち、最近の1週間に痛んだ場所の数を点数にします。
足が痛くて立てない、腕が痛くて家事ができないなど日常生活に支障をきたす痛みに点数をつけます。
症候重症度(SS)とは、痛み以外の症状はいくつあるかをチェックします。疲労感・朝起きた時の不快感・認知症状は多くの患者さんに症状がでます。
この症状を、重症度によって0~3点の数値で表します。
さらに頭痛・腹痛・しびれなど、表に記載している41の症状の中で当てはまるものを選びます。
その数が1~5個なら1点、6~20個なら2点、21~41個なら3点です。
上記の疲労感・起きた時の不快感・認知症状の点数と合わせたものがSSの点になります。
①WPIが7点以上で、SSが5点以上
②WPIが3~6点で、SSが9点以上の時
①又は②の時線維筋痛症と診断されます
保険適応の治療
線維筋痛症は西洋医学では原因がわかっていないといわれています。
よって、現在行われている治療は、線維筋痛症の症状である広範囲に起こる激しい痛みを薬でコントロールする、「対症療法」が中心となっています。
使用される薬
●神経障害性疼痛薬・・・リリカ(プレガバリン)
プレガバリンは、痛みを伝える神経伝達物質が出るのを抑えることによって、痛みを伝わりにくくすることで、鎮痛作用を発揮する薬です。 飲みはじめに、ふらつきや眠気が出るので、少量からはじめます。 中止する時も、急にやめるとリバウンド症状がでるので、徐々に薬を減らします。
●抗うつ薬・・・ディロキセチン(サインバルタ)、アミトリプチリン(トリプタノール) デュロキセチン(サインバルタ)やアミトリプチリン(トリプタノール)
痛みを抑える神経の伝達に必要なセロトニンやノルアドレナリという神経伝達物質を増やし、痛みを抑えます。 のみはじめに気持ち悪くなったり、眠気がでることがあります。 ディロキセチン・アミトリプチリンもお薬をやめる時は、徐々に量を減らしていきます。
●弱オピオイド系(脳や脊髄に作用して痛みを抑える薬)・・・・トラマール、トラムセット(トラマドール)、ノルスパンテープ(ブプレノルフィン)など痛みを抑える神経にあるオピオイド受容体にくっつくことで、痛みを抑える作用を高める薬です。 吐き気がでることがあるので、吐き気止めが一緒に処方されることが多いです。
●その他・・・・ノイロトロピン(ワクシニアウィルス接種家兎炎症皮膚抽出液)、カロナール(アセトアミノフェン)ノイロトロピンは痛みを抑える神経の作用を高めて痛みを和らげる薬です。
●一般的な鎮痛薬(非ステロイド系抗炎症薬)・・・ロキソニン(ロキソプロフェン)、ボルタレン(ジクロフェナック)など ●副腎皮質ステロイドホルモン
線維筋痛症には有効ではないと言われています。
すずらん薬局が考える線維筋痛症の原因
一般的には原因がわからないと言われている「線維筋痛症」ですが、すずらん薬局では「低血糖症・血糖値スパイク」「低血圧」が影響を及ぼしていると考えています。
「低血糖症・血糖値スパイク」はまだ注目されることが少ないですが、線維筋痛症の痛みと、それに伴う症状を起こす原因になっています。
低血糖症・血糖値スパイクを簡単に説明すると、血糖値が上がりやすい食べ物の食べ過ぎや血糖値が上がりやすい食べ方を繰り返していることで、インシュリンの過剰分泌が起こり、血糖値の急上昇と急落が起こる状態のことです。
診断のところで紹介した、症候重症度(SS)の疲労感・朝起きた時の不快感・認知症状は、まさに「低血糖症・血糖値スパイク」の症状です。 (詳しくは低血糖・血糖値スパイクのページをご覧ください)
低血糖症・血糖値スパイクが線維筋痛症の原因になる理由を説明します。
まず、第一に、低血糖によって「低血圧」が発生することが原因になります。 心臓は、1日に10万回も収縮と拡張をくりかえし、全身に血液を送りだしています。
心臓の筋肉のエネルギーは、糖分と酸素です。人間の細胞は、糖分と酸素でエネルギーをつくりだしています。 「低血糖状態」は、血の中に充分な糖分がないので、エネルギー源がとても少なくなっている状態です。
心臓の筋肉の細胞が作りだすエネルギーが少なくなると、心臓の筋肉はエネルギーを節約する動き方をします。
ゆっくり動かしたり、動きを小さくするしかありません。
要するに、全身に血液を送りだすポンプ機能が低下するのです。
心臓のポンプ機能が低下すると、全身に充分な血液を届けることができません。 酸素・糖分・必要な栄養素も運ばれませんし、不要になった老廃物を回収することもできません。全身の代謝が悪くなり、あちこちの部位に障害がでます。
筋肉には、沢山の細い血管が通っていて、
血液が筋肉の細胞に酸素と糖分を送っています。
心臓のポンプ機能が弱まり、血液が届かなくなると筋肉は動かなくなってしまいます。その結果、痛み・しびれ・疲労感を感じるようになるので す。
第二に、体の筋肉・脳・各臓器が低血糖症・血糖値スパイクで糖分が少なくなり、エネルギーをつくれず、臓器が動かない ということがあります。
低血糖の状態では、心臓のポンプ機能が弱まり血液が届かなくなると同時に、循環してきた血液中の糖分も少ない状態です。
何度も言いますが、人間の細胞は、酸素と糖分でエネルギーを作ります。 一つ一つの細胞がエネルギーをつくることができなければ、各臓器は本来の機能を発揮できません。そして、不快な症状が現れます。
起き上がっている時、脳は心臓より上にあります。ポンプ機能が弱っていると脳への血流は大変悪くなります。 そして、やっと流れてきた血液の中には、エネルギーを作るだけの糖分が入っていません。 これでは脳細胞は全くエネルギーをつくれません。
脳は体にとって司令塔です。 司令塔が動かなくなることでも、多くの不具合が出てしまうのです。
先に書いた症候重症度(SS)の表を今一度みてみましょう。 まさに、全臓器(脳・胃・腸・骨格筋・腎臓・膀胱・皮膚など)の働きが悪くなってしまったという症状が並んでいます。
特に、血流が行き届きにくい頭部(脳・耳・目・口・頭皮など)の症状が沢山あることにお気づきになるでしょう。
すずらん薬局でのアプローチ
みてきた通り、線維筋痛症の根底にあるのは、「低血糖症・血糖値スパイク」です。
低血糖症・血糖値スパイクを改善するために、最も大切なことが食事の内容と食べ方です。
- バランスの取れた食事
- 食べる順番は、野菜→肉・魚・卵などのたんぱく質→ごはんの順番で食べる
- よく噛んで、ゆっくりと食べる(早食い、ドカ食いはしない)
- 食事は1日3回以上。朝食は必ず食べる(状態によっては、1日6回に分けて食べる)
- 適切な間食をとる
- 寝る前に、胃に負担にならない程度に食べる
- スポーツ飲料・甘いジュース・砂糖入りの缶コーヒー・エネジードリンク・甘い炭酸飲料などは飲まない
- 白砂糖を沢山使っている菓子は食べない
- パン・麺は避ける(小麦は避ける) など
体の状態によって、食事の内容も変化しますので、必ず個別の対応が必要です。
ただ、食事を変えたからと言って、食べたものに反応して、インシュリンが過剰に分泌されるという、体の「クセ」はすぐには改善しません。 膵臓に負担がかかる体の「クセ」をなるべく早く元にもどすために、すずらん薬局では「商品R」を使用します。
食事とともに、「商品R」を使用することで、より早く、「低血糖症・血糖値スパイク」の状態を改善し、痛みと症候重症度(SS)にあるような数々の症状の改善を目指します。
さらに、生活習慣も筋肉の痛みや低血糖症・血糖値スパイクの原因になっていいます。
・飲酒
・タバコ
・過度なストレス
・運動不足
・体の冷え
・日光を浴びない
などです。
生活習慣を見直すことも、早く「痛み」から解放される大切な方法です。
さらに、心臓のポンプ機能を回復させることも同時に行うことで、体全体の血液の循環を改善し、筋肉に十分な血液を送りこむことでも痛みは改善していきます。
まとめ
西洋医学では原因不明といわれている線維筋痛症ですが、「低血糖症・血糖値スパイク」という視点をもって、病気を眺めてみると、納得できる点が多々あることをおわかりいただけたと思います。
線維筋痛症を改善するためには
・低血糖症・血糖値スパイクを改善する
・心臓のポンプ機能を高めて全身の血流を改善する
ということが必要です。
そのために、食生活・生活習慣の改善が一番大切な取り組みになります。
体は本来、何のトラブルもなく動く仕組みになっています。 それが、食生活や生活習慣の影響でうまく動かなくなってしまっているのが「病気」です。
上手く動かなくなってしまった原因を見極め、足りないものはプラスし、余分なものを排泄する。個々にあった正しい方法でアプローチすれば、体は元通り、元気に動くようになっていきます。
すずらん薬局では、じっくりとお話しを伺って、身体の中でいったい何が起こっているのかをわかりすく説明いたします。
何をどのように食べればよいのかの食事指導や、生活習慣の指導もさせていただきます。
また、漢方の考え方をもとに体質なども拝見し、一人一人にあった漢方を中心としたお勧めの方法をご紹介します。 病院の薬とも併用できるので安心です。
「今よりも少しでも良くなりたい」「もしかして治らないかもしれない」とお考えの方、是非一度ご相談ください。