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健康プラス vol.1(2007年春号)

 

薬局訪問

第1回 すずらん薬局 松井啓子先生

健康プラス vol.1 表紙「私のスタイルは、『生活のことを説明する』『患者さんにあった提案を行う』『患者さん白身が選択する』というとてもシンプルなものです」と凛とした視線を向けるすずらん薬局の松井啓子先生。

 

「心の持ち方」一つでどんどん良い方向に進みます。
どんな病気でも治る方法や、完治は無理でも今より楽になる方法は絶対にあります。あきらめないでください」
と穏やかに、しかし力強く語る松井先生に話を聞いた。

 

「生活のことを説明する」
この薬を飲めば、この病気が治るという方程式はありません。
当店には皮膚病や不妊症、痛みや自己免疫疾患の患者さんが多く来られますが、食べものや睡眠など基本的な事がなおざりになっている方が目立ちます。
基本が欠落しているのに上からいくら足しても無理。
だから患者さんにはまず生活のことを話します。
自然治癒力を高めるために患者さん白身が努力する必要があることをわかってほしいのです。
自分の力で元気になることが基本中の基本です。

 

「患者さんにあった提案を行う」
大切なのは、治療法が患者さんにあっていること、そして患者さんが続けられることです。
症状はもちろんのこと、経済的な側面を考慮することも必要です。
限られた条件の中でベストの選択ができるよう知恵を絞ります。
患者さんの立場からいろいろな提案ができることが重要です。

 

「患者さん自身が選択する」
患者さんに出すものは、まず飲んでもらって、家で資料に目を通してもらい、どんな小さな疑問点でも納得してから飲み始めてもらいます。
私は「私が飲みたいもの」と「家族に飲ませても犬丈夫なもの」しか患者さんにはすすめません。
しかし「これで本当に治るのかしら?」と患者さんが思っている間は、いくらいいものであってもその患者さんには効きません。
第一、患者さんは飲まないでしょう。
結局、効くか効かないかは患者さん次第です。
患者さん白身がその治療法を自分で選択しない限り、どんなよいものでもその力を発揮することはできません。

 

原点は、人と直接関わりたいという思い
このスタイルを確立するまでにはずいぷんと紆余曲折がありました。
父が癌で亡くなった時、私はまだ十一歳でした。
大柄で丈夫な父でしたが、闘病中はまるで実験用のモルモットにされてしまったように感じていました。
医療について、そして人が死ぬことについて大きな衝撃を受けました。
癌の治療薬を開発したくて薬学に進んだものの、薬の開発がいかに難しいかという現実に直面し、処方箋の薬を出すだけの毎日に意味を見出せないまま薬剤師になって一年半が経ちました。
そしてイギリスのロンドンに渡ったのですが、そこで「皆に肋けてもらっている」と強く感じました。
人と直接関わりたいという思いから心理学講座にも通いました。
二年後に帰国しましたが、人と直接関わりたいと思う気特ちは依然として強く、通訳ガイドになるために昼は薬局で働き、夜は学校に通う生活が続きました。
しかし試験に落ち続け、やはり「いわゆる薬剤師」になるしかないのかと思い始めていたころ、ある講演会でこの言葉に出会ったのです。
「医者にできなくて薬局にできることはたくさんある。西洋医学は急性病に、東洋医学は慢性病に、心療内科は心理的な病気の治療に適している。治療家は一つに偏るのではなく、いろいろ組み合わせて全人的医療を目指すべきだ。患者さんのその人丸ごと、生活ごと見なくてはいけない」
その瞬間、「これだ!」と思ったのです。
勤めていた薬局では責任ある仕事を任されていましたが、やりたいことができませんでした。
そこで一念発起し、すずらん薬局を 立ち上げました。

 

今より楽になる方法は絶対にあります
患者さんには「あきらめないで」と言いたいです。
たとえ病院で治らないと言われたとしても、余命を宣告されたとしても、それでも治る方法や、完治は無理でも今より楽になる方法は絶対にあります。
病気になると「なぜ私ばかりがこんなつらいめに」とか「本当に治るのか」と考え込んでしまいますが、心と体は一つだから、文句ばかり言っている人はその否定的な心が体に作用してしまいます。まずあるがままの自分を受け人れてみましょう。
次に何をしたらいいか考えて、それを淡々と、しかし着々と実行していけば状況は改善されます。「治るかもしれない」と思えれば、どんどん良い方向に進みます。

 

誠実であること、それだけです
薬局は詰まる所、人対人のやり取りだと思っています。
患者さんに誠実であること、これだけは常に意識しています。
自信が持てないことや本で読んだだけのことをいくら口にしても迫力がありません。
治してもいないのに治したといっても患者さんには伝わりません。
実際に治した上での「大丈夫、治ります」という言葉にこそ意味があります。
私は自分が正しいと思ったことを誠意を持って伝えるだけです。
「すずらん薬局に来てよかった」患者さんにそう言ってもらえることが一番の励みです。
しっかりと地に足をつけて地道に自分の考えを積み重ね、仕事を通じて地元に貢献したいと思っています。

 

 

そろそろ、ココロとカラダにいいこと、始めませんか すずらん便り

vol.1 それぞれの健康法–薬剤師 松井啓子–

巷にはさまざまな「健康情報」があふれていますが、どんなものでも万人に向いているわけではありません。
その健康法は「あなたにとっても」良い健康法ですか。ちょっと立ち止まって考えてみませんか。

 

情報に振り回されて いませんか?
いろいろな相談を受けながら最近特に感じる事があります。

それは、様々な健康法や「○○が体にいい」という情報がありすぎて、それに振り回されている人があまりにも多いということです。そういった健康法の一つに「水飲み健康法」があります。
これは、血液をきれいにして悪いものを排泄するために、毎日少なくともこれだけの量の水を飲みましょうというものです。
もちろん、水飲み健康法が合っている人もいます。
しかし、「あなたにとっても」良い健康法でしょうか。

 

体が冷えると不要なものが体に溜まってっしまいます
水を積極的に取っても汗や尿で体からどんどん出て行けば問題はありませんが、体が冷えていると不要なものを排出する力が弱くなるので、いらないものが体に溜まってしまいます。
例えば、体は一本の川だとします。
適切な水量が流れている川は澄んでいますが、台風で水量が増えたり汚れで流れがせき止められている川は濁っています。
同じことが体の中でも起こっていて、余分な水分がむくみやめまい、動悸や頭痛などさまざまな症状を引き起こしているのです。

 

「普通に」生活しているだけで体が冷える?
体を冷やすことは休を守る上で大敵ですが、気をつけていないと「普通に」生活しているだけで体は冷えてしまいます。
日本では季節を問わず少し暑いとすぐエアコンが入り、その温度は私には寒すぎることも多いくらい低いです。
仕事も最近はデスクワークが圧倒的に多くなっていますし、どこへ行くにも車に乗って歩かないのでますます体を使わなくなります。
喫茶店では冬でも氷の入った水が出され、家の冷蔵庫には年中アイスクリームが入っています。
こういったことの結果、たとえ自分で冷えを自覚していなくても、体が冷えている人や低体温の人が増えています。
冷え性が増えている上に、日本は湿度が高く、体に余分な水分が溜まりやすい気候です。
こんな中、水を2リットルも3リットルも飲んだらどうなるのでしょう?
体が冷えて、ますます余分な水を体にためることになります。
体が冷えて余分な水をためている人に多い病気である関節病や自己免疫疾患、腎臓痛やアレルギーが、最近増加傾向にあるだけでなく、ますます治りにくくなってきている背景には、こういった事情もあるのではないでしょうか。

 

「入れる」よりも「出す」そして体を温める
こういった人たちは、「人れる」よりもむしろ余計なものを積極的に「出す」ことが先です。
そして体を温めましよう。
ひとつの方法として、余分なものを積極的に主に尿から出すタンポポのお茶をお勧めしています。
また、体をできるだけ冷やさないようにするために、冷たい物・甘い物・果物を控え、半身浴やウォーキングをしてみましよう。
腹巻やレッグウォーマーなどの保温用の下着や使い捨てカイロなどを利用するのもよいでしよう。
「これらを使うとくせになるのでは」という相談をよく受けますが、それは決してありません。
もし試してみて気持ちよく感じられたら、それは体が冷えている証拠です。
さまざまな健康法がありますが、どんなものでも万人に向いているわけではありません。
「あなたにあった」健康法はあなたにしか見つけられないのです。

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