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健康プラス vol.5(2008年春号)

そろそろ、ココロとカラダにいいこと、始めませんか すずらん便り

vol.5 低血圧は病気ではない? –薬剤師 松井啓子–

「高血圧は怖いけれど、低血圧は問題ない。低血圧の方が長生きできてかえっていい」なんて思ってはいませんか?
血圧が低いということは、体を流れる血液の勢いが弱いことを意味します。
つまり、臓器や体の末端に酸素や栄養をたっぷり含んだきれいな血が届きにくく、汚れた血液が停滞しやすいのです。
例えば、上半身の血液循環が悪いとめまいや肩こり、頭痛、目の疲れや耳鳴りなどがおこりやすくなりますが、これらは低血圧の人にもよく見られる症状です。
頭がボーっとする、やる気が出ないなども同様ですが、これらは「うつ」の症状とも似ているため、抗うつ剤や抗不安薬などが処方されることがよくあります。
確かに、低血圧の人には自律神経やホルモンのバランスが狂いやすい傾向がありますが、抗うつ薬や抗不安薬を飲むことでますます血圧が下がってしまい、めまいやふらつきがひどくなるなど薬の副作用ばかりが強く出ることが多いので注意が必要です。
また、低血圧の人は胃腸にも十分な血液が回りにくく働きが悪くなりやすいため、食欲不振や吐き気、腹痛や下痢、便秘などをおこしやすくなります。

 

低血圧が免疫力を低下させる

体を温めているのも血液なので、低血圧だと冷えや低体温を招きやすく免疫力が低下します。
ガンや膠原病、アレルギー、不妊症やパーキンソン病、そして潰協性大腸炎などの炎症性腸疾患、過敵性腸症候群などに対しても、低血圧や低体温は大きな原因となり得ます。
中高年の方で「昔は血圧が低かったけど今は正常」と言われる方がいますが、加齢によって動脈硬化が進んでいるためのことが多く、根本的に良くなっているわけではありません。
もちろん低血圧だけが全ての病気の原因ではありませんし、低血圧でも症状がなければ問題ありません。
ただ、もしかすると今困っておられる病気の原因が低血圧にあるのかもしれません。
低血圧は決して「問題ない」の一言で片付けられるものではないのです。

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