アトピー性皮膚炎
2018年3月12日
はじめに
アトピー性皮膚炎で悩んでいる人はとても多く、つらい病気です。
中には子供の頃から、何十年にわたって苦しんでいる人も・・・
今でも覚えていますが、一番ひどかった患者さんは20代のお嬢さんでした。
最初に会った時、すでに20年以上1日2回のステロイドが欠かせない状態でした。
表情も暗く、元気がありません。アレルギー性の結膜炎の相談でお見えになったのが最初でした。
それがお勧めの商品を使っていただいた結果、最終的にはステロイドは不要になり漢方も不要になり、何も飲んだり塗ったりしなくてもいい状態になりました。
生理不順も治り、結婚もして、可愛いお子さんを出産なさいました。お子さんにアトピーは全然ありません。
このお嬢さんの経過をつぶさに見て、やっぱりアトピー性皮膚炎は治るものだと確信しました。
アトピーに悩む一人でも多くの患者さんが、彼女のようになってほしいと切に願っています。
「とにかく掻いてはいけない」と思い、お子さんの手を縛っていたお母さんがいました。
「掻くから治らない」という人もいますが、私はそうは思いません。
「掻くことが癖になって」とおっしゃる母さんもいますが、私はそうも思いません。
ちゃんと治れば、痒くないので掻かないです。
掻くことで皮膚に傷がつくこともありますが、それは大きな問題ではありません。
ご本人が掻いてはいけないことは、一番わかっています。それでも痒いのです。
「掻かないのよ!」と言うのは、やめてあげてください。
私はステロイドがいいとは思いませんが、何が何でもステロイドは使わない、という考え方ではありません。どうしても必要な場合は、お使いになればいいと思います。
ただそれだけでは、根本治療にはなりません。
目次
私の思い
アトピー性皮膚炎の患者さんの悩み
現在アトピー性皮膚炎に苦しむ患者さんはたくさんいらっしゃいます。
そしてすずらん薬局にも、アトピー性皮膚炎に悩む多くのお客様が来店なさったり、
電話やメールで相談いただいています。
患者さんご本人からの相談ではなく、ご家族からの相談も多いです。
初めてご相談いただく時、アトピー性皮膚炎に長く悩んでいる患者さんに特徴的なのは、医療不信を感じている人がとても多いことです。
- 病院では、アトピーの原因について説明してもらえなかった。
- 今までたくさんの病院に行ったけれども、良くならなかった。
- 医師から「治ります」とは言ってもらえなかった。
- いろんな人から「あれがいい、これがいい」と言われて、言われた通りやってみたけれども、結局良くならなかった
- 苦い漢方の煎じ薬を続けてみたけど、結局治らずやめてしまった。
- ステロイドを使いたくないと医師に話したら、すごく怒られた。
- いろいろ健康食品を続けたが、結局よくならなかった。
こういった経過をたどってしまうと、「結局は、どこへ行っても、何をやっても、もうダメなんじゃないか」「もしかして治らないかもしれない」「もう病院も薬も信用できない」と思ってしまう人が、多いのです。
治療が長くなると、そう思われるのも無理もありません。
患者さんやご家族、そして医療者の間で、治療に対する考え方(特にステロイドを使うか、使わないか)に差がある場合もあり、そのことも大きなストレスになります。
すずらん薬局がご紹介する方法で、実際に良くなった方はたくさんいらっしゃいます。もしも患者さんご本人が納得なさるのなら、是非試してみてください。
やはり患者さんの「治したい」という意思がとても大事です。
ここでご紹介するのは、あくまでも私の考えであり、私の意見です。医療関係者の間でもアトピー性皮膚炎に対して様々な考え方があります。その点はどうぞご了承下さい。
私の考え方は東洋医学が中心ですが、西洋医学の治療を決して否定するものではありません。
商品X
私はアトピー性皮膚炎を根本的に治療するなら、体の中からと外から、両面からの治療をお勧めしています。でもまず何かひとつだけ試したいという場合は、Xをお試しください。それだけでも変化が感じられることがあります。
この商品はいろんな理由から、メーカーさんの方針でインターネットに名前を載せたり販売できない商品です。そのためホームページ上で、その商品名やその成分、メカニズムのことをお話ししたり、その商品のパッケージ写真を掲載することができません。
ですからここでは便宜上、「 X 」という名前で、呼ばせていただきます。
世の中には、そういうものもあるんです。
Xについて、少しだけご紹介します。
Xは天然成分です。もちろんステロイドも入りません。防腐剤や油分も含みません。その働きは皮膚免疫を活発にすることで、皮膚を根本から元気にしてくれます。
つまり炎症があってもそれを抑え込むのではなく、皮膚が元気になって、自らその炎症を治します。そのためステロイドやタクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)のように、皮膚免疫が低下して感染症を起こしやすくなるといった副作用もありません。
(感染症とは、具体的には吹き出物、ニキビ、真菌やダニの増殖、ヘルペスなどです。)
タクロリムスはもともと臓器移植の際の拒絶反応を抑えるため、免疫抑制として開発されたものです。つまり免疫を抑えることで、過剰(過敏)反応を抑えます。
そのためステロイドもタクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)も、長期に塗ると皮膚免疫は低下します。
Xについて詳しくお知りになりたい方は、お近くの方であれば当店までおいでください。おいでくだされば、お試しいただくこともできます。
お店にいらした時には商品名もお話ししますし、どのようなメカニズムでアトピー性皮膚炎やニキビ、口内炎、傷薬などに効果があるかというお話もいたします。成分についても、もちろんちゃんとお話しします。
おいでになれない方は、メールや電話でご連絡ください。
アトピー性皮膚炎のガイドライン
まず最初に一般的な治療(ガイドライン)をご紹介し、次に私の考えをご紹介します。
アトピー性皮膚炎に限らず、病気の治療はガイドライン(診療指針 標準治療)というものが作られています。そしてこのガイドラインに沿って、病院では治療が行われます。以下は2016年 アトピー性皮膚炎のガイドラインです。
アトピー性皮膚炎のガイドラインから
アトピー性皮膚炎の定義
アトピー性皮膚炎は、よくなったり悪くなったりを繰り返す痒みのある湿疹が主な症状で、患者さんの多くは、アトピー素因を持っている。
アトピー素因とは、アトピー体質の一種と考えてもいいです。具体的には以下になります。
- ご家族の中に、以下の病気の人がいる(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性の結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれかあるいは複数の疾患)
- IgE抗体を作りやすい
IgE抗体とは血液中に含まれる、免疫と関係したタンパク質(免疫グロブリン)の一種です。アトピー素因のある人の血中では、高い数値を示すことが多いです。
成人では200IU/ml以下が基準値です。
アトピー性皮膚炎の治療
アトピー性皮膚炎の炎症に対して、ステロイドの塗り薬とタクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)の組み合わせを、治療の基本にしている。
ステロイド剤の外用薬は、強さにより5段階に分類が分かれていて、
- Weak(弱い)
- Medium(中間)
- Strong(強い)
- Very Strong(とっても強い)
- Strongest(最も強い)
に分けられます。
治療において重要視していることは、以下の3点に注意しながら、状態を落ち着かせることです。つまり治すことを目標にはしていません。
- 皮膚バリア………………スキンケアや保湿剤の使用
- アレルギーの炎症………ステロイドの塗り薬とタクロリムス軟膏の使用
- かゆみ……………………抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の使用
私の考え方
アトピー性皮膚炎の原因
私は、アトピー性皮膚炎は過敏体質のひとつで、その中でも特に皮膚が過敏になっていることが原因だと考えています。
アトピー性皮膚炎は皮膚が過敏なために皮膚に症状が出ていますが、
鼻の粘膜が過敏な人は、過敏体質の症状が鼻の症状として現れます。つまり鼻炎です。 また気管や気管支の粘膜が過敏に反応する人は、咳や喘息としての症状が出ることになるでしょう。
ですからアレルギーマーチと言って、皮膚の症状が治ったと思ったら咳が出てきたり
咳の症状が落ち着いたと思ったら鼻炎になったり、鼻炎の症状が楽になったと思ったら、皮膚に出たり、ということがあります。
結局過敏体質を改善していないと、どこの部分に症状が出るかは色々変わるだけで根本的には同じ問題を抱えています。
そして過敏体質を変えることと同時に、皮膚や粘膜を強くする必要があります。
ガイドラインでは、この過敏体質をアトピー素因と言っています。過敏体質は、食事をはじめとした体に負担となる生活習慣、ストレス、薬品、刺激によって、ますます過敏になります。そして遺伝とも深く関係します。
東洋医学では、アトピー性皮膚炎は食生活と大きく関係すると言われます。
具体的には、果物を含めた糖分、油(特に酸化した油)、味の濃いもの、乳製品をとりすぎると、胃腸に負担がかかって体に余分なもの(漢方では湿といいます)をため、
それが皮膚に出て、皮膚病になると考えます。最近では、小麦の取りすぎも目立ちます。
「おやつは何を食べたらいいの?」と質問されることが、よくあります。
それには不老山の粉末や、それをクッキーにしたUP-10クッキーがお勧めです。不老仙は玄米を主体にして、ゴマやスギナ、昆布などを含み、卵や牛乳を使わず美味しく食べられるようになっています。患者さんの中には、忙しい時はこれを食事代わりとして使っておられる方もあります
最初にご紹介した彼女も、おやつや食事代わりに、よくこれを食べていました。
それ以外だと干しイモもよく食べていたのを思い出します。
体の中に余分なものを溜める原因は、以下の4つです。①の原因となる食生活だけではありません。解決方法は、のちほどご紹介します。
- 口から余計なものが入りすぎる
- それほど食べていなくても、消化吸収がうまくいっていない(胃腸が弱い)
- 食べたものがうまく燃焼していない
- 排泄がうまくいっていない
体の中に透明なコップがあると想像してみてください。毎日生活をしているうちに、コップの中に余計なものがひたひたと溜まっていきます。でも外からは、どれだけ溜まっているかは見えません。そのうちいっぱいになって、溢れます。これがアトピー性皮膚炎の発症です。
発症した時にびっくりして「どうしよう!急にこんな風になってしまった」と思いますが
それは急になったわけでは決してありません。コップの中は、以前から溜まってきていたのです。
ですから治す場合も、急に治るわけではありません。いろいろなことに気をつけながら少しずつこのコップの中を空にしていきます。それが排泄(デトックス)です。でもコップが空になったからといって、アトピー素因が100%変わるわけではありませんの。ですからある程度、引き続き気をつける必要があります。
私が考える「治る」とは?
私が考える「治る」とは、 何も飲まなくても何も塗らなくても皮膚の状態が良く
痒みがない、生活に支障がない状態になることです。
アトピー性皮膚炎は、決して一度治ったら二度とならないわけではありません。
過敏体質を改善することはできますが、遺伝子上の問題もあり、100%過敏体質を治すのは難しいです。
でもそれは風邪をひくのも同じことです。一度風邪を治したからと言って、二度と風邪をひかないわけではありません。一度治ってもまた風邪をひくことはあります。
アトピー性皮膚炎は、一種の過敏体質です。ですからストレスや食事の乱れ、睡眠不足など、何か自分の体にとって負荷がかかると、体質の弱い部分として過敏な反応が出てくる可能性があります。
アトピー性皮膚炎の治療
結局アトピー性皮膚炎の根本治療は、副作用なく炎症を鎮める、体に余計なものを溜めない、皮膚バリアを強くする、そして体質の改善です。
余計なものを溜めないための解決方法
- 余計なものを入れすぎない → 負担になるものを食べすぎない
- 胃腸を整えて、食べたものをきちんと消化吸収する
- 代謝を上げて燃焼しやすくする → 体を温める、運動する、代謝を上げる
- 排泄する
①の解決方法は、先程ご紹介したような食べ物をとりすぎないようにすることです。
食べすぎやドカ食いも控えましょう。朝食は、ご飯とお味噌汁を中心にしましょう。
②は胃腸の弱い人なので、胃腸をしっかりさせると効果的です。
アトピー性皮膚炎の人は便秘症タイプが圧倒的に多いですが、中には下痢しやすい人もいます。下痢すると体に必要な成分も便と一緒に出てしまうので、注意が必要です。
③アトピー性皮膚炎の人の多くは、おなかの中はとても冷えていて、体の表面は熱いという特徴があります。そのためお風呂に入った後、食事をした後、布団に入った後、リラックスして血流が良くなる時に よくかゆくなります。
また自分の体から出るステロイドが少なくなる時間帯に痒くなります。
お風呂から出る時は、水のシャワーをさっと体の表面をかけるか、あるいは水で絞ったタオルで、体の表面を拭き、粗熱を取ってから出てください。
入浴の際のお湯の温度はお好みでいいと思います。
時々浴槽に浸からずにシャワーで済ませる人がありますが、これだと体の芯が冷えてしまい、根本的には逆効果です。
また暑いと痒くなるからと言って、夏場クーラーの温度をすごく下げて部屋にこもり、動かない人がいます。これも根本的には逆効果です。
血流が悪くなって体の芯が冷え、治す力が落ちてきます。
排泄は、汗、尿、便、女性の場合は生理血、から行います。
運動したりお風呂にゆっくり入って汗をかく、便秘をしない、そして尿から余計なものを一緒に出していくことで排泄(デトックス)が進みます。
単に尿を出すだけでは、余計なものを排泄しているかどうかわかりません。
脱ステについて
私は、ステロイドを積極的に使うほうがいいとは思いません。副作用も当然あるからです。ただし必要な時、特に痒くて眠れないような時は、寝る前だけ使ったほうがいいように思います。
よく「ひどい時はステロイドを使って、徐々に減らしていきましょう」と言われます。でも根本的な治療することなしに、ステロイドだけを減らしていくのは難しいです。減らすとひどくなるからです。そして次第にステロイドから離れるのが難しくなります。これはプロトピック軟膏も同じことです。
初めにご紹介した彼女も、ステロイドを減らし始めるのに半年かかりました。
入院などをして、無理に脱ステする人があります。でも脱ステは、単にステロイドをやめただけであって、根本治療にはなりません。体質を変えているわけではないからです。つらい思いをして無理やり脱ステするよりも、体の中と外(皮膚)を変えていきながら、ゆっくりステロイドをやめていく、というか不要にする方がいいのではないかと思っています。
最終的にステロイドが不要になった人、何も飲まなくても塗らなくても痒くなくなった人は、たくさんいらっしゃいます。
消毒について
アトピー性皮膚炎悪化の原因が、黄色ブドウ球菌などの細菌と考えて、消毒を勧められることがあります。確かに患部には黄色ブドウ球菌がいるかもしれません。
誰でもある程度の黄色ブドウ球菌は存在しますが、長期にステロイドを使うと皮膚免疫が下がり、黄色ブドウ球菌や真菌(カビ)が、すごく増えてしまうことがあります。その結果、アトピー性皮膚炎の患者さんは、ニキビなどもできやすいです。
結局この場合、黄色ブドウ球菌に対する根本治療は殺菌するだけではなく、皮膚免疫を高めることです。消毒や抗生物質、抗真菌剤は、皮膚に対して刺激になるので、アトピーが悪化することがよくあります。
副作用や耐性がなく、殺菌作用を持つものをお使いください。
アトピー性皮膚炎でお困りの方、どうぞご相談ください。