起立性調節障害で薬は飲んでいるけど学校に行けない方へ
2025年8月5日
はじめに
「起立性調節障害と診断されて、薬を飲んでいるけどよくならない。」
「病院で言われた通りに生活習慣を整えても変化がない」
そんな声を、私たちは日々たくさん伺います。
起立性調節障害は、朝起きられない・めまい・動悸・だるさ・頭痛・イライラなど、心身にさまざまな不調を引き起こすため、ご本人はもちろん、見守るご家族にとっても、とてもつらい状況です。
多くの場合、「まずは生活リズムを整えましょう」「ストレスを減らしましょう」といった指導がされますが、それだけでは良くならない子が圧倒的に多いのが現実です。
では、なぜ良くならないのでしょうか?
私たちが多くのご相談から感じているのは、
「この症状の根っこにあるのは、“心の問題”でも“生活習慣の乱れ”でもない」ということ。
実際には、“体の土台”=血や栄養が足りていないことが根本原因になっているケースが非常に多いのです。
このブログでは、
✔︎ なぜ生活習慣を整えるだけでは改善しないのか?
✔︎ 見落とされがちな本当の原因とは?
✔︎ 体の根っこを整える新しい考え方
について、丁寧に、でもわかりやすく解説していきます。
お子さんの不調に心を痛めているご家族にとって、
「今までとは違う視点」で体を見直すきっかけとして読んでいただけると嬉しいです。
目次
起立性調節障害とはどんな病気?
起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation/OD)は、小学校高学年から中学生、高校生くらいまでの子どもに多く見られる不調です。
特に「朝起きられない」「立ちくらみやめまいがある」「ずっと体がだるい」など、日常生活に支障をきたす症状が特徴です。
本人は非常につらい思いをしているにもかかわらず、午後からは調子がよくなったり、外見上は元気そうに見えることもあり、「怠けているのでは?」「甘えているだけでは?」と誤解されやすい病気でもあります。
起立性調節障害の主な症状
- 朝なかなか起きられない(登校できない)

- 立ち上がるとフラッとする/めまいがする
- 動悸や息苦しさ
- 倦怠感(いつもだるい)
- 食欲不振
- 吐き気
- 頭痛
- 集中力の低下
- 気分の落ち込み、イライラ
など・・・・
これらの症状は日によって波があり、「昨日は元気だったのに、今日は一日中寝ている」など、周囲から見ると理解されにくい面もあります。
学校生活や家庭での生活に大きな影響が出ることも多く、子ども自身だけでなく、保護者や家族にとっても心配の尽きない状態になります。
一般的に指導される“対策”の落とし穴
起立性調節障害と診断されると、病院や学校から以下のような対策が勧められることがよくあります
・規則正しい生活を心がける
・水分をしっかりとる
・軽い運動をする(毎日15分程度の散歩など)
・ゆっくり起き上がるようにする
・昼夜逆転を避けるために、早めに布団に入る
・ストレスの少ない環境を整える
もちろん、これらはすべて「間違っている」わけではありません。
生活のリズムを整えることは大切ですが、それは根本的な解決ではありません。
実際のところ、こんな声をよくいただきます
「水を飲ませても、まったく改善しない」
「朝起きようとするたびに吐き気がしてつらそう」
「がんばって散歩をしても、逆にぐったりしてしまう」
「眠くないのに布団に入っても眠れず、結局スマホをずっと見ている。」
なぜ、こうした“良いはずの対策”で良くならないのでしょうか?
それは、本当に必要な対策が生活リズムではなく、体の中の状態にあるからです。
体の中でいったい何が起こっているのかを突き止めて、それを解決していくことで、変化を期待することができます。
逆にそれを実行しなければ、いつまでたっても状態は変化しません。
本当に見直すべきは「体のエネルギーをつくる力」
起立性調節障害の子どもたちは、決して「怠けている」わけでも、「気合が足りない」わけでもありません。
多くの場合、体の中でエネルギーをつくる力が足りていないことが根本にあります。
そもそも「エネルギー」って何?
人間は生きるために、37兆個の細胞の中でエネルギーを作っています。
このエネルギーを活用して、臓器が24時間休まず働いてくれることで、生命を維持しているのです。
だから、呼吸をして食べています。
呼吸をすることで、酸素を取り入れています。
そして、食べることで、糖分やタンパク質・ビタミンなどを補給し、エネルギーを作るとともに、肉体を維持しているのです。
しかし、エネルギーを作る材料を安定的に供給できないと、エネルギーをしっかり作れない時間が存在し、臓器の動きが悪くなります。結果、体は「なんとなくだるい」「動きたくない」「集中できない」といったサインを出すようになるのです。
エネルギー不足が引き起こす「動きたくても、動けない」状況
実際、起立性調節障害と診断される子どもたちの多くが、鉄欠乏や血糖値の乱高下、タンパク質不足などの「栄養欠損による
エネルギー不足」を抱えています。
この状態で「運動しよう」「生活習慣を整えよう」と言われても、そもそも動くためのエネルギーが足りていないのですから、かえって体が疲れ切ってしまい、悪化してしまうケースもあります。
まずは栄養から見直して
体のエネルギーをつくる仕組みは、すべて栄養と血流によって支えられています。まずは、しっかりとエネルギーをつくれる体かどうか、栄養状態を見直すことが何よりも大切です。
無理に頑張らせるのではなく、体の土台を整えてあげること。
それが、起立性調節障害と向き合うための本当のスタートです。
なぜエネルギー不足が起きるのか?
エネルギーが作れない原因の多くは、材料不足にあります。
●鉄不足

特に成長期の子どもは鉄を大量に必要としますが、現代の食生活では不足しがちです。
鉄が足りないと、血液が酸素をうまく運べず、細胞がエネルギーを作れなくなります。
●タンパク質不足
血液や筋肉、ホルモンなどの材料はすべてタンパク質。朝食がパンやお菓子だけでは、必要なタンパク質が圧倒的に不足します。
●血糖値の乱高下
甘いものや精製された炭水化物中心の食事では、血糖値が急上昇・急降下
し、安定したエネルギー供給ができなくなります。
「生活習慣を整える」だけでは、この栄養不足を補うことはできません。まず
は、エネルギーを生む材料をしっかり体に届けることが第一歩です。
まとめ
自己判断では見えない“本当の原因”
起立性調節障害と診断されるお子さんの症状は似ていても、原因は人によって全く違います。
ある子は鉄不足が深刻で、別の子は血糖値の乱高下が大きな原因になっていたりします。
また、食事内容の偏りでエネルギーを作るための材料が足りず、体が動かない状態に陥っていることも少なくありません。
一般的に言われている対策を一通りやってみたけれど、
「結局良くならない…」という声はとても多いです。
それは、「自分の子の体に本当に合った対策」が見つかっていないからかもしれません。
まずは“体の声”を一緒に聞いてみませんか?
すずらん薬局では、お子さんの体の状態を理解できるように、
・血液検査のデータを駆使し
・食事の内容
・好きなおやつ
・どんな飲料を飲んでいるか
・何時にどれくらい食べるのか?
・生活のパターン
・赤ちゃんから今までの成長の様子
・お母さんの妊娠時の状態
など、多くの情報をじっくりと時間をかけてお聞きします。
そうすると、
・どこでエネルギーが作れなくなっているのか?
・体に足りない栄養やサポートが何か?
を一緒に見つけることができます。
「この子はただの怠けじゃないのか…」
「どうしても朝起きられないのはなぜ?」
そんなモヤモヤを、「体の仕組み」という根本から理解するお手伝いをしています。
一人で悩むより、まず相談してみてください
体調や生活習慣は一人ひとり違うからこそ、
「これをやれば絶対良くなる」というマニュアルは存在しません。
けれど、原因を丁寧に見極めれば、改善の糸口は必ず見つかります。
「迷っている今が、動くタイミング。『ちょっと聞いてみようかな』——それだけで十分です!
是非、お子さんと一緒に話を聞いてください。ご来店くださっても結構ですし、遠方の場合は、ZOOMでも対応いたします。
自分の身体のことを、自分で理解できたお子さんの回復スピードはとっても早くなります。
元気になる方法を一緒にみつけていきましょう🌿
このブログは、京都の木津川にあります、すずらん薬局の上田美穂が書きました。
(薬剤師・糖尿病療養指導士・血液栄養診断士)
すずらん薬局は学研都市線 西木津駅徒歩5分にあります漢方・健康食品を中心に取り扱っております漢方相談店です。
日々、お悩みの身体の症状、心の悩みなどありましたら、是非店頭にお越しください。
薬剤師が健康相談をお受けしています。






